その半年後、知佳はついに計画を実行することにした。
清水道場に、少量の睡眠薬を入れた酒を届けたのだ。
薬を少量にしたのは、神経がマヒして、彼らの苦痛が半減するのを恐れたためだ。
夜になると愚かな男達はすっかりでき上がって、歌ったり踊ったりしていたが、そのうちに皆グッタリして来た。
そこで突然部屋中の明かりが消えた。
「あれ、おかしいなあー停電かあー?」
「でも外のネオンはついてますよおー」
「おい山下ぁーちょっと下のブレーカー見てこいよぉー」
一人だけ酒を飲ませてもらえなかった新人の山下は階段を降り始めた。
その頃知佳は道場の地下で黒のレオタードに着替えていた。そして彼らが試合中に死んだことにするために手にボクシンググローブをはめた。上から足音が聞こえたので、急いで階段の横に隠れた。
山下がブレーカーにさわろうとすると、背後に気配を感じて、ふり返った途端ミゾオチにキックを入れられた。
山下は転倒しながらしきりに「助けて下さい!」とくり返した。
「そうはいかないわ」とアゴにまわし蹴りを食らわせた。
「よくもレイプしてくれたわね!」
「ボクは知りません・・・」
「じゃ、命だけは助けてあげるわ」
知佳は山下の脳天に踵落としをキメてK.O.した。
二階に上がると男達がだらしなく寝そべっていた。
一人の男がヨロヨロと立ち上がって「何だテメエは」といいながら向かってきた。
知佳はたっぷり助走をつけて飛び上がり、つま先を男の口に突き刺した。男の口の中に知佳の足がスッポリと入りそのまま倒れ込んだ。
知佳が男の血まみれの口から足を抜き出すと男は泣き叫んだ。
「歯・・・歯がぁ!じぇんぶおえた」
知佳は男のノドボトケを踏みつけてトドメをさした。
「二匹めね・・・」
三人目の男はフラフラと知佳によって来てなれなれしく言った。
「かわいいネエちゃん・・・ワキの下舐めさせてよ・・・」
知佳はフッと笑って手を垂直に上げた。
男がピチャピチャと音を立てて舐め始めると、知佳はヒジを勢いよくふりおろして男の脳天をうち砕いた。
「三匹め・・・」
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